「名ばかり管理職」問題。その後の動き
だんだんと暖かい(暑い?)日が増えてきました。仕事で車を運転していると新緑と綺麗な花々が咲く家や公園に出くわすことがあります。この時季がいちばん過ごしやすく気持ちの良い季節でとても好きですね。
さて、NIKKEI NETとasahi.comより記事を紹介します。
−日本マクドナルド、店長らに残業代支給へ・新報酬制度8月導入 (H20.5.20 NIKKEI NET)−
支給対象は直営店長2000人弱と地域の店舗管理責任者数百人。過去にさかのぼって支給はしない。同社は店長を管理職とする社内的位置づけや権限は変わらないとしているが、法律上は「管理監督者」でなくなり、実質的に非管理職扱いにする。残業代支払いと同時に成果給制度を拡充するため「報酬総額は変わらない」と説明している。 (記事終了)
−「名ばかり店長」団結集会 「人間の自転車操業」に異議(H20.5.19 asahi.com)−
肩書だけで残業代なしの長時間労働を強いられている外食やコンビニエンスストアの「名ばかり店長」らが19日、東京都内で集会を開いた。裁判中の日本マクドナルド店長の高野広志さん(47)ら8人が、「泣き寝入りはしない」と問題の解決を求めた。
今月裁判を起こしたコンビニチェーン「ショップ99」の元店長、清水文美さん(28)は、入社9カ月で「管理監督者」となり、労働基準法による労働時間規制の対象からはずれた。多い月で残業は100時間を超えたが、残業代はなし。「皆ぼろぼろになりやめていく。人間の自転車操業だ」と訴えた。
紳士服大手コナカ店長の高橋勇さん(44)は労働審判を申し立てた。「会社は大好きだがあまりにも誠意がない。380人いる店長に働いた分の残業代を支払って」
集会は東京管理職ユニオン、首都圏青年ユニオン、全国一般東京東部労組が合同で開いた。「人件費を削るために管理監督者にする悪質な手法が横行している。人間の尊厳が問われる」と実行委員会の河添誠さん。
集会前に、実行委員会は厚生労働省に要請書を提出。多店舗展開している企業について管理監督者の適切な基準を作ることや、残業代を支給する一方で役職手当などを減額する「脱法行為」がみられることへの対応などを求めた。(記事終了)
どちらも問題となっている『名ばかり管理職』に関連する記事です。
当協会でも、名ばかり管理職を題材にして先日セミナーを開催したばかりですが、パンドラの箱とも言うべきか、社員と経営者との思い・考えや感じていることのズレが大きく、企業にとっては多額の金銭の負担が生じる非常に大きな問題です。
これだけニュースで取り上げられると、世情の流れに従って役所も動かざるを得ません。検討されている会社も多いと思いますが、具体的にどう対応したら良いかは、会社ごとに異なりますのでぜひ専門家に相談してみてください。
管理職=幹部の役割を再確認する良い機会ととらえて前向きに取り組まれてはいかがでしょうか?