お相撲さんの『解雇』。気持ちの良いものではないですね・・・

 おはようございます。さっそくですが、今日は個人的にも興味のあるお相撲さんの解雇についてmainichi.jpより記事を紹介します。

 

−元若ノ鵬:力士の地位確認を求め相撲協会を提訴(H20.9.11mainichi.jp)−

 大麻所持事件で日本相撲協会を解雇された元若ノ鵬のガグロエフ・ソスラン元力士(20)は11日、協会を相手取り、力士としての地位確認を求める訴えを東京地裁に起こした。相撲を取る目的でビザを取得しているため、解雇から3カ月後に強制退去される可能性があるとして、仮処分も併せて申し立てた。

 ガグロエフ元力士は、大麻入りたばこを持っていたとして大麻取締法違反容疑で逮捕され、8日に処分保留で釈放された。協会は逮捕直後の8月21日に解雇処分にした。

 訴状で元力士側は、過去にピストル所持の銃刀法違反で略式起訴された元横綱がけん責処分で済んだケースなどを挙げ、「解雇処分は他の不祥事と比較して厳し過ぎる。私生活の犯罪で解雇された例はなく、権利乱用に当たる」と訴えている。(記事終了)

 

 解雇処分が行われた事実から、お相撲さんもお給料をもらって働くサラリーマンであることに変わりないことが改めてわかりました。

 

 さて、記事にあるように『私生活上の行為』が即解雇に結びつくのか?ということが問題となります。

 

 一般の企業であれば就業規則に『懲戒』の規程を定めています。一番重い処分として『懲戒解雇』があげられますが、今回の解雇が『私生活における犯罪行為のみ』を理由としたならば、先例からして処分が重すぎ、本当に解雇できるのか?解雇権濫用による不当解雇であると訴えられても仕方ないのかも知れません。

 

 さらに『懲戒』としての解雇とするならば、今回の犯罪行為が協会の秩序を著しく乱したのか?協会活動に直接損害を与える行為であったのか?解雇に当たるほど協会の社会的評価を毀損したのか?が理由として求められるでしょう。

 

 お相撲さんという何となく世間から敬われる存在の人が犯した罪は重く、なにかと世間の注目も集めます。

 

 今回の不祥事・・・特に大麻所持という犯罪行為は許されるものではないです。世間の厳しい目にさらされている現在の相撲協会を取り巻く環境の中で、所属力士が犯罪行為で逮捕されたことは相撲協会の社会的評価に与える影響は甚大でしょう。とすれば、懲戒としての解雇は妥当かな?とも考えられますが、先例の処分が足を引っ張ります。

 

 過去の処分が甘かったということを今さら言っても仕方ありませんが、どのような結論が導き出されるのか興味をもって見守りたいと思います。ただ、『まじめにやります。がんばります。』『解雇は取り消します。一から出直して頑張ってください。』では、興醒めして相撲が楽しく見れなくなってしまいますね。

 

 なお、地位確認というのは、今回の解雇は認められるものではないはずだから解雇は無効であり、会社(今回は相撲協会)との間に、まだ労働契約が存在していて、これにもとづく権利(相撲を取る権利。お給料をもらう権利。)を持っている立場=地位にあることを確認したいということであり、また仮処分というのは、裁判で争うとになると和解や判決までに時間がかかるため、民事上の権利(物や地位)を保全することを目的として訴える人に認められている『仮』の救済制度です。