救助作業を労災認定。もしも事故に出会ったら・・・

 おはようございます。さっそくですが、今日は、ある労災認定の裁判に関する記事をNIKKEI.NETより紹介します。

 

−業務中の救助作業で巻き添え、事故死を労災認定 名古屋地裁(H20.9.17 NIKKEI.NET)−

 運送業務中に遭遇した交通事故の救助作業中、後続車にはねられ、死亡した岐阜県各務原市の運転手の男性(当時33)の妻(44)が、事故は労災に当たるとして、国に遺族補償年金などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が16日、名古屋地裁であった。遠藤俊郎裁判官は「事故は業務上の災害と認められる」として国に処分取り消しを命じた。

 判決は男性の救助作業について「長距離の自動車運転業務に従事する労働者が業務上、当然行うことが予想される行為」と認定した。

 判決によると、男性は1998年3月4日午前1時ごろ、トレーラーで岐阜県大垣市の国道を走行中、軽自動車の横転事故に遭遇。軽自動車を起こそうとしていた際に、後続車に追突され、搬送先の病院で死亡した。(記事終了)

 

 この男性にとっては当たり前の行動だったと思いますが、その正義感あふれる勇気ある行動に敬服いたします。

 

 事故から10年を経て認められた労災認定。突然の夫の事故死は、一瞬にして未来を閉ざすような出来事だったことでしょう。労災認定を得られず再審査請求も不調に終わり国を相手取っての裁判ですから、男性の妻のこの間の心労たるや想像に耐え難い。

 

 今回の労災認定の判決を下した裁判官の判断基準は、とても良識のあるもので共感を覚え、また勇気づけられます。

 

 確かにたまたま事故現場に遭遇しておこなった人命救助は、会社の業務命令で行われた行為ではない=業務上災害とは言えないと言われればそうなのかも知れません。しかし運転手という仕事柄、事故現場に遭遇する可能性は高く、道路を安全に運行するためには、今回の事故にあるような道路上の障害物(軽自動車)を移動させる行為は、いかにも業務に関連する行為だと考えられないでしょうか?

 

 やはり判断に迷うところですが、今回の判決により一定の基準が新たにでき今後の仕事に生かせそうです。

 

 もし自分が今回の事故のような現場に遭遇したら、発炎筒を焚いて後続の車に事故を知らせる等の二次災害を回避する作業もあわせて行える冷静な判断ができれば良いなと思いました。

 

 最後に心より男性のご冥福をお祈りいたします。