底を経験した経営者の強さ

 底を経験した経営者の強さ。 昨日、顧問先の製造業2社の経営者とお話して感じたことです。 

 

 世界的な景気の減速の余波で、親メーカーの業績不振がここにきてモロに影響し、中小の下請け製造業・製造業現場への派遣業はキツイ状況にさらされていることを肌で感じています。半年前まではホクホクの笑顔でお話されていた経営者も、発注量の急減や先延ばしばかりで頭を抱えていました。

 

 しかし、笑顔を見せながら『今だからできることがある。今しかできないことをやろうと思う。他の道・やりかたがあるはずだからそこを模索してみよう。従業員にコスト意識を持たせる考えさせることに取り組もう。』などなど、前向きな言葉がポンポンと飛び出してきて、とても嬉しく頼もしく感じました。バブルを経験し生き残ってきた経営者の強さでしょうか。本によって勉強し知識を得たり・他人の体験談を聞いたりだけでは、なかなか人として経営者としてのこの強さは持てないことでしょう。

 

 ここに至って、やはり従業員に求められることは、経営者の意識を汲んで同じ目標に向かっていくのはもちろんのこと、広くは世の中・近くは身近な環境の変化にあわせて自分の考え方や普段の行動を見つめなおしてもらうことですね。

 

 冬のボーナスの時期も近づいてきています。経営者はボーナスを利益の分配と考えていて、利益が出なければ支給額が減るのは当たり前であると考えているものの、従業員の生活や期待も考えるとなぁ・・・と昨日の経営者の一人は板ばさみの状況で悩んでいました。

 

 理想論ではありますが、経営者からパート・アルバイトに至るまで、会社に所属する一員として、ただ生活費を稼ぐ為に働きに来るのではなく、自分の労働に対する正当な対価をもらうために働きに来ているのだといった意識で働いてもらいたいものですね。