全パートを正社員化。非常にインパクトのあるニュースです。
先日パートタイム労働法について少し触れましたが、皆さんの会社ではどのように対応するべきか検討されていますでしょうか?中小企業にあっては、「日々の仕事に追われ、そんなこと考えてられないよ。」というのが現実かもしれませんが、パートさんを雇っている会社にとっては、本当に大きな問題となる法改正です。今できることは何かを知って、まずは一歩踏み出しましょう。
さて、そのパート労働法への対応について、asahi.comより記事を紹介します。
−ロフト、全パートを正社員化 短時間勤務でも−
雑貨専門大手のロフト(本部・東京都新宿区)は16日から、パート、契約社員、正社員の区分をなくし、無期雇用を希望する契約社員やパート2350人を正社員にする。非正社員の正社員への登用制度は広まっているが、多くは正社員並みのフルタイムの勤務者が対象。ロフトは勤務時間に関係なく正社員になれる仕組みで、短時間勤務の人も含め大規模に正社員化するのは珍しい。
同社の従業員は約3330人で、正社員が400人。1年契約の社員が280人、半年契約のパートは2650人おり、そのうちの2350人が正社員化を望んでいる。
新制度では、現在の全従業員を(1)店舗のレジやラックを担当する「フロント」(現行制度ではパート)(2)各売り場の「リーダー」(同契約社員)(3)会社や店舗全体のマネジメントを行う「基幹社員」(同正社員)に区分する。無期雇用を望む人は正社員とし、フロントから本部の部課長などの幹部になることも可能。正社員の条件に転勤は含まないが、幹部への昇進には複数店舗を経験するのが望ましいとする。16日以降の入社者は6カ月の見習い期間を経て、正社員か、有期雇用のアルバイトかを選べる。
パートは職能資格が3段階だったが、フロントは8段階に細分化。職能給の差額を時給で100円から250円ほどに広げ、能力を向上させた人を評価する。総人件費は1割増加する見込みだ。
勤務時間は、フロントは週20〜40時間から選択。現行の契約社員と正社員は週40時間と定められているが、リーダーと基幹社員は9月から、週32〜40時間の間で決められる。介護や育児の際に、役職を変えずに短時間勤務をしやすくなる。 (記事終了)
紹介した企業の取り組みは、短時間の「正社員」というなかなか珍しい社員区分を含め制度化しているようです。
そこで考えさせられたのが、企業にとってそもそも「正社員」とは何なのか?でした。一般的に正社員とは「期間の定めのない雇用契約を結んで、会社の所定労働時間・所定労働日通りに働く人」といったところでしょう。
パートさんの多くは半年とか1年とか期間を区切って契約をしています。ですが、常時に有る仕事に就いてもらっていると、よほどのことがなければ、継続してその人に働いてもらう方が会社としても都合が良いでしょう。すると、契約期間はあってないようなものになってしまうことが多く、細切れに契約していることによるトラブルや、ある日突然更新しないことによるトラブルが発生しています。契約を区切っておくことによって、期間満了によって辞めてもらいやすいと考えている会社も多いですが、そうはいかないのが現実ですので注意が必要です。
話を戻します。紹介した企業の制度の詳細は分かりませんが、この企業では、正社員とは「臨時・一時的な仕事以外の仕事をする人で、区分した職種ごとに期間の定めのない契約を結ぶ人」ということになるのでしょうか?う〜ん・・・正社員って何だ?考えさせられます。
また、正社員とパートとの大きな違いとしてあげられる「労働時間」という垣根を取り払ったことも画期的ではないかと思います。与えられた「仕事」のみで区分けしているわけですから、まさに「同一労働同一賃金」を実現させたということでしょうか?なかなかできることじゃないなぁ・・・。
このパートタイム労働法への対応例は、これからどんどん出てくることでしょう。このブログでも注目して取り上げたいと思います。